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【2024/04/25 08:53 】 |
謎解きは確実調査の後で
【お題】
・山羊座
・サラマンダー
・「犯人はこの中にいる!」

なんだかどうでもいい、あほな話。


 サラマンダーというものをご存じだろうか。
 火トカゲなどとも呼ばれる、四大精霊の一つだ。本性はトカゲの姿をしているが、人間のようにも化けることができる。そう、今の私のように。
 炎の中に住んでいて、基本は単独行動、他の四大精霊たちのように群れることはあまりない。世間への関心も薄い。
 私たちがどれだけ他者への関心が薄いか、よくわかる事例がある。今思い出した。
 それはある魔女の話だが、彼女は祖父がサラマンダーであり、幼い頃は彼の下で育てられもした。
 しかしどうしたことか、彼女は若干十三歳にして彼の許を離れ、一人暮らしを始めてしまった。
 周囲の大人たちが何故かと問いかけると、彼女はこう言った。
「だってじい様、あたしの性格も好きな食べ物も、はては名前すらも覚えてくれないんだもん!」
 まあ、これは私の友人の話なのだが、彼は決して年老いてぼけているわけではない。サラマンダーの中ではまだ若い部類に入る。
 しかしこれがサラマンダーというものなのだ、わかるかね青年。

 長い話を終え、ようやく私は目の前の自称探偵に視線を向けた。
「したがって、君の「俺の彼女を誘惑して奪った犯人はこの中にいる!」という主張は大変見当違いなのだよ」
 だってこの部屋には彼以外サラマンダーしかいないのだから。
「そんなはずはない! だって彼女はサラマンダーの男と消えたという話なのだぞ!」
「誰が言ってた?」
「近所の洗濯屋のおばさんだ!」
「それってサラマンダーじゃなくて、火竜のことじゃない? よく間違われるよね、俺ら」
「そうそう、火のトカゲ類なんだから同じだろって。精霊と魔族で、種族からして全然違うんだけどね」
「つかそれって、カノジョにフラれただけじゃね?」
「!!!!!」
 信じたくなかったのであろう真実を真っ向から指摘されて、青年はがくりとその場に崩れ落ちた。
「気づきたくなかったのか」
「哀れだね」
「可哀そうに」
「「「「「まあどうでもいいけど。」」」」」
 そうして我々は打ちひしがれる青年をその場に残し、三々五々解散した。
 ああそうだ、帰りに今月発売したばかりの占い本、ニーニーの『山羊座の世界』を買って帰らねば。



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【2016/04/03 21:49 】 | ギャグ | 有り難いご意見(0)
ひさしぶりにがんばる
なんやかんやでストップしてたこの企画ですが、独自の判断で再出発することにいたしました。

今度のルールはこんな感じ。


・用意した単語カードの中から三枚ランダムに選ぶ
・休日に一個書く努力
・原稿用紙何枚分でも可
・用事で駄目だったら書かなくてもいいよ
・カードの解釈はどうやってもOK
 例:和→平和、和風  白雪姫→人物、モチーフ

あくまで無理せず、ゆるゆるっといきたいなと思います。
更新はおそらく亀さん。
【2016/04/03 21:42 】 | ギャグ甘 | 有り難いご意見(0)
嫁観察日記
5~6月のお題その4
Lump様より「秘密は隠し損ねた日記から暴かれる」

東洋風ファンタジー。
ギャグ甘。


花月二日
 今日から新しい部下が加わった。
 まだジュニアハイを出たばかりだというから、俺とは三つ違うということになる。まあ、俺は学校にも行かずに働いてたけど!
 外見が子供子供しているので、一緒にいてロリコンに見られないように気をつけねばならない。

花月三日
 なにあいつまじ使えねえ。
 人事ももっとましなの寄越せよな。

葉月十七日
 ようやく使えるようにはなってきたか。
 うちは超少人数部署(というか俺とあいつしかいねえが)だから、人材は貴重だってのに、教育に時間かけさせやがって。
 慣れれば働きぶりは悪くない。うん。

雨月十四日
 気候の変動で体調を崩したらしく、あいつは珍しく仕事を休んだ。
 俺手製の料理をおすそ分けついでに持っていったら、はっきりまずいと言われた。
 あ、あれはわざとなんだからな! 俺はまだ本気を出してないだけだ!

星月三十一日
 ホームシックなのか、最近よく溜息を吐いている。何が不満なんだ、まるで俺がいじめてるみてえじゃねえか。
 不満があるなら言ってみろってんだ。

陽月一日
 不満があるなら言ってみろと言ったら、あなたの全てが不満ですと言われた。腹立つ!
 き、傷ついてなんかいないからな。
 しかしあいつ、可愛くねえ!

紅月二十三日
 なんかもやもやする。
 あいつを見てる時だけ、なんだか胸に物が詰まっているような気がするんだ。
 だんだん涼しくなってきたし、風邪でも引いたのかな。

月月十五日
 残業して遅くなったので、そのまま月見をしてから帰ることにした。
 こいつも月の下で見ると、案外綺麗な顔をしてるな……なんて言うか! こいつはまだジュニアハイを出たばかりの子供だぞ!
 なのに俺の葛藤を余所に、月が綺麗ですね、なんて言いやがる。それを安易に言うな!
 その言葉の意味、分かってるのか?!
 くそ、あの表情が脳裏に焼き付いて離れん!
 いろんな意味で憎たらしい女め!

霜月二十日
 ちくしょう、あり得ねえ、なんであんなやつに……。
 すげえもやもやする。胸が苦しい。
これが恋ってやつか……。

雪月三十一日
 もう年は越してしまったが、とにかく今日はめちゃくちゃ気分がいい。
 べ、別にあいつと初詣行ったからとか、そういう理由じゃないからな。
 神社で配ってた甘酒がうまかったし、おみくじが大吉だったからだ!
初めて手がつなげたからとか、おみくじに恋愛は成就するでしょうとか書いてあったからじゃないんだからな! 本当だぞ!
 次のデートはどこにしようとか、ちっとも考えてないんだからな!


「うわっ、何見てんだお前っ!」
「あなたの日記です。私と会った年の」
「やめろっ、俺の黒歴史を掘り出すな!」
「私と会ったことも黒歴史なんですか?」
「そっちじゃねえよ馬鹿野郎! お前との甘酸っぱい思い出の記事を本人に見られて黒歴史と言わずにいられるわけないだろ、ちくしょう! お前と結婚できてマジよかったなあとか思ってなんかないんだからな!」
「……あなたって、複雑そうに見えて単純ですよね。すぐ態度に出るんですから」
「うっせ!」
「でも……嬉しいです。ありがとうございます」
「う……」


嫁観察日記


「ところで、月が綺麗って言っちゃいけないんですか?」
「知らないのか!」
「何ですか? どんな意味ですか?」
「くっ……お前、わざとじゃないだろうな!」



またの名をツンからデレへの変遷日記
こんなベタなツンデレはじめて書いた。
すげえ楽しい。

月が綺麗=遠回しな告白の言葉。
夏目漱石が英語教師をしてた時の逸話より(後世の創作説あり)。
二葉亭四迷は同じI love youを「死んでもいいわ」と訳したらしい。その感性すげえ。
ちなみによくネタに使われる言葉でもある。





【2013/07/12 20:05 】 | ギャグ甘 | 有り難いご意見(0)
独占法を施行します
5~6月のお題その3
Lump様より「鍵のない檻」

平安風。
シリアス甘い気がする。



ご無沙汰しています、久しくお会いしておりませんがお元気でしょうか――。
 そこまで書いた私の口から溜息が漏れました。これで何回目でしょう。
 それ以上筆が進むことはありません。私自身、これ以上書けないことは十分にわかっております。けれど書かねばならないのです。相手はとても大切な友人なのですから。
 しかしこの胸に渦巻くものを思うと、手は止まり、そこから一時たりとも書くことができなくなってしまうのです。
 嫉妬など醜い、浅ましいもの――。そう考えているというのに、やはり妬いてしまうものです。あの方の心は私一人のものではないとわかっているのに。


独占法を施行します


 かつて私は宮中で働いておりました。
 やはりそこで働いていた二人と懇意になり、やがてその内の一人と夫婦となりました。
 あの方と一緒になれることは、私の人生で一番の慶び事だったと言っていいでしょう。政略結婚が当然のように行き交う中、本当に好いた相手と添い遂げられることは奇跡にも等しいことです。
 しかし、その奇跡は深い悩みも共に連れてきました。
 宮中時代にできたもう一人の友人、その方は私よりも先にあの方と結婚されていたのです。お二人は幼馴染でした、幼い頃から共に過ごした男女が成長したお互いを見て意識し合うのも無理はありません。
 あの方は私も友人も平等に扱ってくださいます。不公平なことが大嫌いなあの方らしいとは思うのですが、時にその公平さが憎らしく思えるのです。
 ですが、未だ宮中で働いている快活な友人のことを思うと、そんな自分に嫌気がさしもするのです。
 体を悪くして宮中を去った私にもこまごまと世話を焼いてくれる、優しい方です。あの方が初めての結婚相手に選んだのもわかります。
 ですが、だからこそ妬いてしまうのです。自分よりも優れている方だとわかっているからこそ、嫉妬の炎がじりじりと胸を焦がすのです。
 結局、手紙にそれ以上何も書けないまま、私は紙と筆を仕舞いました。我ながら狭量であるとは思います。それでもどうにもできないのが人の心なのです。
 ああ、車の音がしますね。お帰りになったようです。その音を聞くだけで、私の頭からは友人への嫉妬など掻き消えてしまうのですから、我ながらなんと現金なのでしょう。
 小走りに迎えに出て、その体を抱きしめて自ら口づける、など普段ならはしたないと思うこともあの方にはできてしまいます。周囲の女房や家人にも目の前で申し訳ないと後で思うのですが、新婚だからと見逃してほしいのです。


 閨の中に入ると、ようやく独占することができます。
 いつもと違って、私の眼下にある愛しい人の表情に、愛おしさがこみ上げてきます。今、この瞬間だけは私のものです。誰にも邪魔などさせません。
 私の愛しい、夫(つま)です。


 あの方は朝になるといつも出て行ってしまう。
 わかっていることです。けれど感情では理解できません。独占したいという気持ちを抑えることは容易ではありません。
 だから今、この場にいるときだけは私という檻に捕らわれてもらいましょう。
 鍵なんて作りません。
 いいえ、入り口さえも。
 だって、あなたにかかればこの檻はたやすく壊れてしまうのだから、そんなものは意味がない。
そしてこの檻に他の人が入ってきてしまうことなんて、一生考えたくはないのです。
 ずっと二人でいましょう。
 せめてこの、鍵のない檻の中でだけは。



【2013/06/26 21:16 】 | シリアス甘 | 有り難いご意見(0)
恋する乙女の暴走Y
5~6月のお題
Lump様より「醒めぬ夢は君のため」

『恋する乙女の戦略X』の続編。
ギャグ。





「馬鹿者!!」
 今日も今日とて、華胥国炎狼山州州庁監査室には、監査室長・高賀の怒鳴り声が響き渡っていた。
「ひゃいぃ!」
 大声に体を跳ねさせたのは、彼をここまで怒らせている原因・部下である監査員の撫子だった。
「お前という者はいつもいつもいつもいつも、人の体を触ってきおって! そんなことをしている暇があるなら仕事をしろ!!」
「だってだって、室長の素敵な筋肉様が……っ」
「筋肉に様をつけるな、気色悪い!」
 そこまで怒鳴って、ようやく高賀は一息ついた。長く重い溜息を吐き、目の前でびくびくと正座している部下を見下ろす。
「まったく……。お前も無理して筋肉好きを名乗らなくともよいのだぞ。もう知っているのだからな」
「ぎゃふん! 何故それを!」
 撫子は勢いよく飛び退り、隣の部屋との間を仕切っている襖に、背中をぴったりとつけた。顔は真っ赤になったり真っ青になったり間で紫になったりと忙しい。
「…………この前居酒屋で耳にした」
 自分に好意があるとはっきり耳にした時の衝撃と恥ずかしさも同時に思い出して、高賀は顔をあさっての方向に逸らした。
「まままさか室長、あの話を……!」
「聞いた」
「ジーザス!!」
(何故外国語?)
 内心首を傾げながらも、もう一度筋肉好きを名乗らなくともよい、と念を押す。これ一つで自分の今後の人生が快適になるかそうでないかが変わってくるのだ。重要だ。
「……じゃあ私、もう本当の自分を出していいってことなんですね!」
「(本当の自分?)まあ、そうだな」
「うふふふふ……それじゃあ……」
 撫子は高賀に抱きつき、その懐に手を突っ込んだ。
「失礼します!」
「なあっ!? お前、確か筋肉好きは面白いからと……」
 肌の上を這う手指に冷や汗をかきながら彼女の腕を掴み、全力を持って動きを止める。
「おい……これはどういうことだ……」
 全力で押さえているというのに、撫子の力は強く、気を抜くと押し切られてしまいそうだった。
「あっ、私筋肉フェチじゃなくて皮膚フェチだったんです!」
「はぁあああああああああああア?!」
 以前、真正の変態だったらどうしようかと思っていたが、本当に本当に真正の変態だったらしい。
「えいっ」
「っ」
 大声を出した隙をついて再び指が高賀の肌をまさぐり始める。
「はう……やっぱり室長のお肌すべすべでちょうどいいしっとり感……。やっぱりこれは室長のお腹じゃないと味わえない貴重なお肌ですねえ」
「やめっ……さわ……っ!」
 撫子の手指が無遠慮に、しかし優しく触れてくるものだから、高賀の体は正直にも体を固くしたり跳ねさせたりと反応を返してしまう。女に主導権をすっかり握られてしまっているのがまた何とも情けない。
「室長、感じちゃってるんですか? かわいい……!」
「嬉しくない! 触るな!」
「本当のことを言うと、全身で室長のお肌を感じたいんですけど、ここで押し倒しちゃってもいいですか?」
「いいわけあるか! というか女がそんな言葉を口にするな!!」


恋する乙女の暴走Y


「ああ、何だか夢みたい! これって本当に現実? それとも私の妄想の世界じゃないかしら!?」
「俺も夢だと思いたい……夢であったらどんなにいいことか……」
 現実という名の醒めない悪夢は、まるで撫子のために世界が回っているかのような錯覚を覚える。
「これは夢だ……性質(たち)の悪い夢なんだ……」
 腹の上に頭を乗せて頬を摺り寄せている部下を無視しながら、ぶつぶつと呟く。
 撫子という名の性質の悪い酔いから醒めたら、これが夢であることを祈ろう。




彼女は皮膚フェチ!(ガチ)
【2013/06/22 20:46 】 | ギャグ | 有り難いご意見(0)
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